スコットランド、パース出身のCLOUDSの2人、Liam RobertsonとCalum Macleodは、クラブに通う以前からクラブミュージックを作っていた。それにも関わらず、彼らのサウンドデザインや参考としている音楽から、過去、現在、未来のサウンドを注意深く研究してきた姿勢が伺える。Turbo Recordings、Opal Tapes、Speedy JのElectric Deluxeからリリースし、さらには「レイブの力強さを持つハードコアなダイナミッククラブサウンド」をコンセプトに掲げたRandomerとレーベル”Headstrong”を立ち上げることで「アンダーグラウンド」のテクノシーンの再構築に貢献している。CLOUDSの音楽はワイルドなアイデアに溢れており、ハードスタイル、ジャングル、エレクトロハウス、そしてAutechreやAphex Twinなどの90年代IDMの偉人たちの音楽から幅広い影響を受けている。彼らの音楽はワイルドで乱暴でありながら田舎臭くなく、クールでありながらシリアス過ぎない絶妙なスイートスポットを突いたサウンドだ。
このSketchesでは、CalumがAbleton LiveでKOMPLETEインストゥルメンツとエフェクトをふんだんに使用し、未来的なテクノブレイクトラックをゼロから制作していく過程を紹介している。CalumはMASSIVE XやMOLEKULAR (REAKTORのモジュラーエフェクトシステム) で作ったループやオーディオ素材を元に新しいパーカッション要素を作り出すテクニックや、FORMや変更を加えたKONTAKTのサンプルを元にメロディー要素や環境音的なサウンドスケープを作り出しすユニークなテクニックを披露しいる。更には、REPLIKA XT、GUITAR RIG 6、Crush Pack (BITE、DRIVER、FREAK) を使用したトランジェントの重要性や、音を整えてからエフェクトする様々な方法などについても学ぶことが出来る。
この動画で、新しいサウンドデザインのテクニックやコツについて学ぼう。その後、MASSIVE XとMOLEKULARを使用してあなたのDAWでもそのサウンドを再現する方法について読み進めよう。
使用されたNI製品: : MASSIVE X, MOLEKULAR, FORM, REAKTOR, KONTAKT, KOMPLETE
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動画で披露された、MASSIVE XのワイルドなLFOとMOLEKULARのクリエイティブなエフェクトとループ機能を使用したCalumのテクニックを再現するには、以下のステップを実行しよう。Ableton Live用の解説にはなるが、音を別のチャンネルで録音出来るようにルーティングを組めば、どのDAWでも行うことができる。
- Liveの新しいMIDIチャンネルにMASSIVE Xを立ち上げる。
- MASSIVE Xのプリセットを選択する。
- MASSIVE XでランダムなLFOをたくさん追加し、それらを様々なパラメーターにアサインすることで面白みのあるリズム感を作る。
- MASSIVE XでMIDIパターンを録音する。
- MASSIVE Xの後にREAKTOR 6 FXを立ち上げ、MOLEKULARをロードする。
- 面白いエフェクトプリセットを選択する。(MOLEKULARにはクリエイティブなサウンドエフェクトが多く揃っています)
- 最初のMOLEKULARインスタンスの後にREAKTOR 6 FXのインスタンスを追加して、新たにMOLEKULARをロードする。
- プリセット名をクリックして、Embedded、Single DSP、そしてFreezerの順番に選択する。
- Liveで新しいオーディオチャンネルを作成する。
- 新チャンネルのインプットをResamplingに設定する。
- オーディオトラックを録音可能状態にして、録音を開始する。