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by Tim Cant

無償のIRISH HARPを使ってトラックを作ってみよう

how to get started with IRISH HARP

Native Instruments IRISH HARPは、本格的なアイリッシュハープサウンドを簡単に作品に加えることができる全く新しいKONTAKTライブラリです。

34弦のネオ・アイリッシュハープを収録したIRISH HARP は、暖かく豊かな音色を提供します。スケール、フレーズ、エフェクト、コントロールなど、作曲、ビートメイキングなど、本格的でユニークなパフォーマンスを実現するために必要な機能をすべて備えています。

このチュートリアルでは、IRISH HARPを使って、UKガラージ風ダンストラックのリードラインを作成する方法を紹介します。

IRISH HARPは、7月3日までの期間限定で無料で入手できます。

IRISH HARPをダウンロード

目次:

また、さらなる音楽制作環境のグレードアップをお考えの方は、Native Instruments、iZotope、Plugin AllianceでSummer of Soundが開催中で、ほぼすべての主要なスタジオアップグレード、ツール、インストゥルメンツが50%オフになります。

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IRISH HARPの始め方

エレクトロニックミュージックは、さまざまな音や感情を包含する幅広いジャンルです。

まず、IRISH HARPというインストゥルメントのキャラクターを考えてみましょう。そうすることで、この音がどのようなエレクトロニックミュージックに適しているのか、ヒントが得られると思います。

撥弦楽器であるハープは、音色が良いだけでなくスタッカートが効くので、切れ味の良いメロディックリードを作るのに適しています。繊細なサウンドのため、ミックスに、余裕を持たせて聴かせるスタイルと相性が良いです。

UKガラージは、ゆったりとした重みのあるミックスに最適なジャンルです。このスタイルでは、タイトでファンキーなビートがハープの音に余裕を与え、ハープの繊細な音色を大きなベース音で引き立てることができます。ハープの繊細な音色を大きなベースサウンドで引き立てることで、フルサウンドのミックスとなり、ハープが輝くために必要なスペースも確保することができます。

IRISH HARPを使用するには、KONTAKT 7、または無償のKOMPLETE STARTバンドルの一部であるKONTAKT 7 PLAYERが必要です。

このチュートリアルでは、BATTERY 4MASSIVE XKOMPLETE KONTROLKONTAKT 7 Factory Library、Expansion: TIMELESS GLOW、iZotope Neutron 4とOzone 10も使用しますが、代わりにお好みのサウンドを使用していただいても構いません。

1. コードを作成する

まずは、トラックのベースとなるコードを作ってみましょう。まず、DAWソフトのテンポを135BPMに設定します。

Setting the project tempo
Setting the project tempo

次に、MIDIトラックにKONTAKT 7をロードします。ブラウザモードで “Kontakt” を選択し、KONTAKT Factory Libraryを表示させます。検索フィルターを “Band” に設定し、プリセット “Upright Piano” をダブルクリックで読み込みます。

The Upright Piano instrument
The Upright Piano instrument

コードは、Fマイナー、A#サスペンド2、G#メジャーを演奏しています。このチュートリアルでは、特に指定がない限りベロシティー値を100としますが、このパートでは柔らかい音にしたいため、ベロシティー値を66に設定します。

The chord progression
The chord progression

この2小節のコード進行を8小節分延長し、ループを作成します。

Making a loop
Making a loop

この音を、650Hzのローパスフィルターを加えて滑らかにしてみましょう。

Filtering the chords
Filtering the chords

このトラックを-6 dBに下げて、ミックスにヘッドルームを確保します。ここから、さらに他の要素を追加していきましょう。

Turning the chords down
Turning the chords down

2. メロディーを作成する

MIDI トラックに KONTAKT 7 または KONTAKT 7 PLAYER をセットし、IRISH HARPを読み込みます。

The IRISH HARP instrument
The IRISH HARP instrument

Sound PesetをModernに設定することで、少し前のめりな音色が得られるようになります。

Changing the Sound Preset
Changing the sound preset

このトラックを-2dBに設定して、ピアノのコードとのバランスをとります。

Balancing the harp
Balancing the harp

IRISH HARPには、メロディーパターンやキースイッチによる様々なアーティキュレーションが搭載されていますが、ここでは、ストレートなダンススタイルに焦点を当て、パターンを使用せず独自のメロディーを演奏してみます。

ここで使用したメロディーをコピーしてください。このリードラインは、ソフトでスリンキーなサウンドにしたいので、すべての音にベロシティー値65を使用します。

The harp melody
The harp melody

16分音符3つに同期したディレイタイムと高いフィードバックレベルでピンポンディレイをかけるとダビーな雰囲気になります。

Adding delay
Adding delay

さらに雰囲気を出すために、ディケイの長いリバーブも追加してみましょう。

Adding reverb
Adding reverb

3. ビートを作成する

このトラックでUKガラージスタイルのビートを作るために、Expansion: TIMELESS GLOWのサウンドを使用することにします。MIDIトラックにKOMPLETE KONTROLをロードし、FilesタブでTIMELESS GLOWエクスパンションのある場所まで移動してください。

The TIMELESS GLOW expansion
The TIMELESS GLOW expansion

Expansionsがどこにあるかわからない場合は、Native Accessを起動し、”Installed products”からTimeless Glowを選択し、右側の “Install pass’ タブからご確認下さい。

Location an expansion in Native Access
Location an expansion in Native Access

TIMELESS GLOWフォルダの “Sounds” → “Battery Kits” を開き、”Forget Kit” をダブルクリックして読み込ませます。

The Forget Kit
The Forget Kit

このトラックのボリュームを-7.6dBに設定し、他の要素とのバランスをとります。

Balancing the Forget Kit
Balancing the Forget Kit

各拍にC#1キック、2拍目と4拍目にD#1クラップ、拍間にA#1ハットで1拍をシーケンスします。オープンハットのベロシティー値は81に設定します。

Adding kicks, claps and hats
Adding kicks, claps and hats

次に、DAWソフトのSnap to Grid 機能をオンにし、9番目の16分音符の直後にF#1シェーカーをベロシティー値70で追加します。これで16分音符のスイングがファンキーになりましたね。

Adding a swung closed hat
Adding a swung closed hat

この拍子を8小節分伸ばします。

Extending the drums
Extending the drums

次に、パーカッションループでドラムパートにスパイスを加えてみましょう。KOMPLETE KONTROLでTIMELESS GLOWのSamples > Loops > Percussionフォルダに移動し、Percussions[126] Buzy.wavをオーディオトラックへドラッグします。

The percussion loop
The percussion loop

このトラックを-22.4dBに設定します。

Balancing the loop
Balancing the loop

DAWソフトのタイムストレッチ機能を使って、ループをプロジェクトのテンポにタイムストレッチします。ここでは、Ableton LiveのWarp機能でBeatsモードを使用しています。サンプルをループさせて、8小節のシーケンス全体を再生するようにします。

Warping the loop
Warping the loop

さらに、ループを引き締めましょう。iZotope Neutron 4 Transient Shaperをトラックに追加し、”Sustain” のレベルを-9に下げます。

Tightening up the loop
Tightening up the loop

よりクリーンなサウンドにするために、ループから低音を少し取り除いてみましょう。周波数180Hzのハイパスフィルターを使用します。

Filtering the loop
Filtering the loop

4. ベースラインを作成する

ベースラインには、Native Instrumentsの強力なシンセサイザーであるMASSIVE Xを使用することにします。このインストゥルメントをMIDIトラックにロードし、ブラウザセクションで “Bass” タグを選択します。そして、”Grind Dragon” プリセットをダブルクリックして読み込みます。

The Grind Dragon preset
The Grind Dragon preset

このプリセットには特に中音域にエネルギーを感じますが、今はより大きなベーストーンを求めています。そこで、”Filter” パネルの “Frequency” ノブを200Hzのすぐ上まで下げます。このプリセットのフィルターはScannerモードに設定されているため、Filterパネルには「Scanner」というラベルが貼られていることに注意してください:

Adjusting the filter cutoff frequency
Adjusting the filter cutoff frequency

Massive Xのトラックを-14.4dBに設定し、他のトラックとのバランスをとります。

Balancing the bass line
Balancing the bass line

F1、G#1、C2を演奏する2小節のベースラインをベロシティー値58に設定してください。

The bass line
The bass line

5. FXとその他の音色を追加する

トラックをアレンジする前に、いくつかの音色を加えましょう。まずは、ドロップ時のコードを演奏する音色を他にも探してみたいと思います。MASSIVE Xを使いましょう。MASSIVE Xを新たなMIDIトラックに追加し、ブラウザで “Piano / Keys”タグをクリックします。”Fancy” プリセットをダブルクリックして読み込みましょう。

The Fancy preset
The Fancy preset

このトラックを-16dBに設定し、他のトラックとのバランスをとります。

Balancing the keys
Balancing the keys

ピアノトラックからコード進行のMIDIを複製します。

Duplicate the chord MIDI
Duplicate the chord MIDI

これにより、ドロップ用に滑らかなバージョンのコードを得ることができます。

では、ブレイクダウンのためのテンションストリングを作ってみましょう。KONTAKT 7を新たなMIDIトラックでロードし、ブラウザでKontakt Factory Libraryを選択して検索フィルタを “Orchestralに” 設定し、”Violins” をダブルクリックしてロードします。

The Violins instrument
The Violins instrument

このトラックを-18.9dBに設定し、他のトラックとのバランスをとります。

Balancing the Violins instrument
Balancing the Violins instrument

次に、ベロシティー値58で、F5音で8小節間演奏するシーケンスを準備します。

The string part
The string part

次に、アレンジの異なるパート間を移行するのに役立つFXを追加しましょう。

新しいMIDIトラックにもう1つMASSIVE Xを追加し、今度は “Sound Effects” タグを選択して、”Counting Comets” プリセットをロードします。

The Counting Comets preset
The Counting Comets preset

このトラックを-16.7dBに設定し、他のトラックとのバランスをとります。

Balancing the sound effect
Balancing the sound effect

これをシーケンスして、ループの最後の2小節にベロシティー値58でF3ノートを追加します。

The sound effect MIDI
The sound effect MIDI

KOMPLETE KONTROLで、Samples > Drums > Cymbalに移動し、Crash Stranger.wavを新しいオーディオトラックにドラッグします。

The Crash Stranger sample
The Crash Stranger sample

シーケンスの1拍目にサンプルを配置します。

Positioning the crash sample
Positioning the crash sample

このトラックを-22.5dBに設定し、他の要素とのバランスをとります。

Balancing the crash sample
Balancing the crash sample

4つの16分音符 (1拍分) に同期したディレイエフェクトを、高いFeedbackレベルで追加します。

Adding a delay effect
Adding a delay effect

これで必要な要素が揃ったので、いよいよアレンジメントです。

6. アレンジ

以下のような構成にしてみました。

The arrangement
The arrangement

低音のピアノコードとビートの特徴なイントロから始まり、17小節目のブレイクダウンでIRISH HARPが登場。33小節目でビートが戻ってき、16小節を経て49小節目にドラムとベースのみのセクションが登場します。

続いて、65小節目からメロディックな要素が再登場し。81小節でベースとビートが抜け、ピアノとハープのアウトロとなります。

7. マスタリング

このトラックをラウドでフルなサウンドにしましょう。iZotope Ozone 10のMaster Assistant 機能を使えば、簡単にこれを実現することができます。

iZotope Ozone 10 Maximizerをマスタートラックに追加し、Thresholdを-7dBに下げます。これにより、トラックのダイナミクスレンジが縮小され、結果的にラウドなサウンドを得ることができます。

iZotope Ozone 10 Maximizer
iZotope Ozone 10 Maximizer

IRISH HARPのおかげで、印象的、且つオーガニックなリードのエレクトロニックミュージック作品が完成しました。

IRISH HARPは無料で使用することができます。

Here we’ve seen how you can make your own electronic track from scratch with IRISH HARP and other Native Instruments sounds.

If you’d like to learn more check out our guide on how to make electronic music, how to start producing music, and free orchestral scoring libraries for KONTAKT.

ここでは、IRISH HARPと他のNative Instrumentsサウンドを使って、自分だけのエレクトロニックトラックをゼロから作る方法をご紹介しました。

楽曲制作について、より詳しく知りたい方は、how to make electronic music (英語のみ) 、how to start producing music (英語のみ) 、無償のKONTAKTオーケストラライブラリおすすめ5選をご覧ください。

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