万華鏡のように鮮やかなエレクトロニックミュージックでその名を知られているKaitlyn Aurelia Smith。シンセサイザーでオーガニックな雰囲気のサウンドを生み出すSmithは、太平洋岸北西地域にあるOrca Islandののどかな自然の中で育ち、著名なバークリー音楽大学で作曲とサウンドエンジニアリングを学んだ。
彼女が、その名を知らしめているフォーク調なシンセサウンドを作り始めたきっかけは、Terry Rileyの影響でBuchla 100シンセサイザーを知ったことだった。これまでに4枚のLPをリリースしてきたSmithは、Ghostly Internationalと契約し、今年のCaribouの北米とヨーロッパツアーに参加した。
最近SmithはNIの次世代シンセであるMASSIVE Xを使い始めたのだが、今回は、そんな彼女にパッチをゼロから制作することを依頼した。その結果は、まさに想像通り、オーガニックな質感のドリーミーで無重力的なパッドサウンドに仕上がった。まずは、デモトラックを聴きながら、彼女のMASSIVE Xを使った制作の様子や、サウンドデザインツールへのアプローチに関する記事を読もう。
Massiveを初めて使った時の印象はどのようなものでしたか?
実はMassive 1はあまり使っていなくて、他のNIのプラグインをいくつか使っているような状況だったんです。Massive Xを初めて開いた時は、他のソフトシンセを導入する時同様に、パネルがどのように変化するかを理解するために全てのプリセットをすばやく確認しました。プラグインには様々な機能のための隠れたボタンやページが存在するので、すべてのプリセットを探索しなければ全ての機能を把握することができませんからね。その分プリセットをチェックしてる時に、隠れていた機能をたくさん発見しました。Massive Xにのプリセットを調べていると隠れたドアが本当にたくさんありました。
Massive Xは奥深く複雑で、理解できなく不安になってしまうという意味ですか? それとも、パネルを理解できる人にとってはユーザーフレンドリーだということですか?
両方ですね。深く探求できて、探求することで様々な音に出会えるから楽しいという点では、ユーザーフレンドリーだと思います。
でも、それと同時に、どのように動くのかすべてを理解できなくて不安になることはありますね。
一般的に、複雑なシンセは人々を不安にさせると思いますか? それとも、それはパズルのようなもので、視覚的な部分からインスピレーションを与えてくれると思いますか?
人によってそれぞれ違うと思いますが、私の場合は、道筋とか配線経路とかを理解することがとても得意なんです。たぶん、小さい頃によくチェスで遊んでいたことが理由だと思います。私の音楽制作の方法は、すべての道筋を追って行きながら、どうやってそれらが出会うか、10歩先を常に考えているような感じです。だけど、ソフトシンセの場合、経路を3Dで理解することができなくて、個人的にはとても不安になっちゃいます… 何が起こっているのかすべてを把握することができないし、どうやって全部の変化や動きを追っていったらいいのかわからなくて、ただ単に2Dの画像が頭に浮かぶだけなんです。
MassiveやReaktorやMaxは、デジタルで配線するような感じで使えますよね。
確かに、私はそのやり方に、自然と惹きつけられちゃいますね。 でも、脳の違う部分を使うので、2Dバージョンの配線経路は難しいって感じてます。
興味深いですね。チェスの例えも好きです。あなたがチェスをやっていることを知りませんでした。今でもチェスをやりますか?
ええ、大好きなんです。頻繁にやるわけじゃないけど、今でも大好き!
チェスは昔ながらの盤を使ってやりますか?それともコンピュータやタブレット上でですか?その違いは音楽を作る上での、ソフトウェアとハードウェアと同じような違いがあるように思います。
そうですね、その2つは脳への影響について特に違いがあると思います。以前、コンピューターに向かって長時間写真について研究していたことがあるのですが、長時間コンピュータの前に座っていることで脳の前方部分が物理的にダメージを受けていることに気づいたんです。そしてまた、シンセを演奏している時は脳の違う部分を使っていると感じました。
とても興味深いですね。一時期、人々はハードウェアを離れ、ソフトウェアを使いたがりました。しかし最近は逆の状況がおきています。このことは次の質問に繋がるのですが、過去の作品を知らない多くの人々にとって、あなたはハードウェアやモジュラーで知られていますよね。ハードウェアからMassive XやREAKTORといったモジュラーのソフトウェアバージョンにどのようにシフトするのかについて話を聞かせてくれますか?
それはプロセスによりますね。これは単に個人的なやり方なんですが、ハーモニーやメロディといった情報をスケッチする時は、手で譜面を書くことが多いです。ライブで演奏をしたりサウンドをプロセッシングする時はハードウェアを使って、そしてアレンジや編集はコンピュータで作業する傾向にあります。Massive Xについてすごく好きな点は、旅行している時にも便利だし、最近発見した方法だと、(ハードウェアを使って) アナログシンセをソフトシンセと混ぜるスタイルがすごく気に入ってます。
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