新たなExpansionを手掛けたDJ Khalil。その制作模様について話を聞くため、彼のスタジオを訪れた。次のビデオでは、頻繁に話題にされるキャリアのあらましや、“あの”伝統的なLAサウンドに対する見識を語るDJ Khalilのほか、Native Instruments限定で撮影した彼の制作過程をチェックすることができる。
DJ Khalilは、精力的なプロデューサーだ。錚々たるメンバーからなる制作集団The New Royalesの一員として、Eminem、Pink、Aloe Blaccなどのポップヒットを手掛けてきた彼だが、ソロとしての経歴ではヒップホップの精鋭たちの名前がずらりと並ぶ。Jay-Z、Kanye West、Nas、Nipsey Hussleらとともに制作を行い、ASAP Rocky、Kendrick Lamar、Drakeなど数多くのアーティストによる作品では、プロデュース/作曲として彼の名がクレジットされる。
DJ Khalilが育った場所は、ロサンゼルス。深いベースと激しいドラム、そして複数に重ね合わせたレイヤーシンセが愛されるこの街からは、Gファンクというスタイルが誕生し、Snoop DoggやDr.Dreといったアーティストが登場している。DJ Khalilの地元愛は、制作したExpansionで顕著に表れている。
彼は次のように説明する。「どのキットにもロサンゼルスの場所の名前をつけることにしたんだ。俺は自分を作ってくれた街に敬意を払っているから。自分の成功を助けてくれたこの街にね」
スウィープ、サイレン、パッチ、パッドなどを多数収録した今回のExpansionは、50 Cent、Jay-Z、Dr.Dreとの伝説的なセッションから発掘された音が一部で使われるなど、オールドスクール特有のノリを生んでいる。ただし、DJ Khalilの制作哲学は、極めて進化的だ。その一部は、偏愛するサイケデリックなプログレやロックに由来している。
「俺は常に新しい音を探している。キーボードとか、エフェクターとか、これまでに見たことのないものを使って色々と試すんだ」という彼は、そこから、信頼を置くミュージシャンたちと一緒にジャムセッションを行い、生バンドの感覚を得るそうだ。読者のみんなも「録音ボタンを押して、どうなるかやってみる」といいだろう。
「要は、色々と試して新しいものを見つけるってことさ」