• Eomac + Kyoka = Lena Andersson

    アイルランド人プロデューサーEomacと、日本人アーティストKyokaのコラボレーションプロジェクトに迫る。…

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by Reuben Cornell

ホラー映画のためのミステリアスな無償KONTAKTライブラリ5選

子どもだましは全くなし - 背筋が凍る雰囲気を生み出す強力なツールを5つ紹介する。

ホラー向けのサウンドが必要な時、KONTAKTなら驚くほど様々な選択肢が揃っていて、残虐な喘ぎ声から恐ろしいドローンまで、開発者達の数多くのウェブサイトからあらゆるサウンドを無償でダウンロードすることができる。もしも、ホラー映画の広大な遺産の中から特定の空気感を再現したい時には、その時代のサウンドトラックに注目しよう。80年代は、ミニマルなシンセ楽曲が多かったが、それ以前は、サイコのシャワーと刃物に添えられたBernard Herrmannの叫びのようなストリングスが典型的だった。最近のホラーのサウンドトラックは、フルオーケストラからシンプルなソロ演奏まで、何種類かのテクニックを用いた大変バラエティ豊かなものになっている。

今回のセレクションは、ホラーの音楽表現のいくつかをカバーしていて、特に、特殊な録音、偶発的なインストゥルメント、そして、異世界のようなサウンドスケープに重点を置いた。ほとんどのライブラリにはKONTAKTのフルバージョンが必要だが、一番目に紹介しているEmbertoneのArcaneは無償のKONTAKT Playerをダウンロードするだけで体験できる。

Arcane

まずは、これまで遭遇したことがないような大変奇妙なライブラリから紹介しよう。Embertoneのダンジョンマスターから届けられたArcaneは、サンプルライブラリであり、ウィジャボードを使った降霊術の会でもある。メインのKONTAKTパッチをロードして、名前を入力、2本の蝋燭に火を灯したら、Arcaneの深遠な秘密を探るためのヒントを解き明かさなくてはいけない。Arcaneの気味の悪いメッセージとEmbertoneのウェブサイトの間を行き来しながら、恐ろしいサウンドを伴って、新しい世界が明かされていく。Arcaneの秘密を解き明かす楽しみを奪ってはいけないので、あまり多くは語らないでおこう。脱出ゲームスタイルのパズルに邪魔されずにサウンドを使いたい場合は、金切り声や軋み音など、7つの個別パッチが用意されている。アルトのヴォーカル、霊妙なダルシマー、メタルチャイム、別世界からのようなドローンといった、すぐに使えるインストゥルメントに加えて、EmbertoneのFriedlander Violinのデモパッチを試すこともできる。ArcaneはEmbertoneのインストゥルメントのセレクションについて知ることができる革新的で脳をひっくり返されるようなライブラリだ。そして、もしこの体験から生き延びることができたら、可愛らしい褒美を手にすることになるだろう!

Arcaneのダウンロードはこちら

Magnetica

駆け出しの開発会社であるSonora Cinematicは、イタリアの作曲家兼サウンドデザイナーのAlessandro Mastroianniによって運営されている。今回紹介する無償ライブラリは、Dead Spaceのようなサスペンスに満ちたゲームのハイブリッドな電子音サウンドトラックに影響されて開発された。比較的控えめなサンプルプールはeBowを使ったFender Stratocasterの演奏の録音だが、元がどんな音だったのかわからないような音色になるまで手を加えられている。モジュレーションホイールを不協和音の響きになるまで上げると、ハーモニクスが生まれ、ダークな領域のサウンドへと変化して行く。フィルターやリバーブ、ディストーションといったエフェクトが搭載され、広大な編集の選択肢を提供してくれる4つのサイドパネルからトリガーすることができる。ぜひとも試してほしい機能はテープサチュレーションで、追加の「texture」レイヤーを使って砂粒やきらめきを加えれば幽霊のようなSFサウンドを作ることができる。もしもこのライブラリが気に入ったなら、一巻につき60個程度の異なるサウンドが入ったフルバージョンを手に入れよう。

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Free ASMR

ASMRはAutonomous Sensory Meridian Responseの略で、この親密なセンセーションにインターネットは沸き立っている。人類全てがこの現象を感じられるわけではないが、誠実なASMRのセレブリティ達はYouTube上で、 優しく話し、マイクの近くで物を巧みに操って、背骨をゾクゾクさせるような知覚を生み出すことで、多くのリスナー達を喜ばせている。ASMRの先頭車両に素早く飛び乗った8DIOは、彼らが寛大に提供している無償ライブラリのうちの1つとして、このコンセプトを取り入れた。この特別なライブラリはファンから寄付された近接マイクによるサンプルを使って制作された。集まった8GB以上のサンプルは、磨き上げられ、7つのメインバンクとプリセットフォルダにカテゴリー分けされて、パルス音、フィールドレコーディング、生き物の音、演奏できる楽器などが含まれている。まるでリスナーの頭の中そのもののように感じてしまう恐ろしいサウンドスケープを見つけることも、それほど難しくはないだろう。

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Whispers

高品質のサンプルライブラリが揃っていることでその名を知られているWavesfactoryによるWhispersは、特徴的なインターフェースとシンプルなコントロールという彼らの強みを存分に見せつけている。この薄気味悪い男性と女性の母音サウンドのセレクションは、実は、同じホワイトノイズのサンプルを掘り刻むことで作られた。 8つのサウンドはそれぞれ巧妙なコンボリューションとフィルタリングが施され、複数の母音を組み合わせて独自のトーンを作ることができる。ADSRコントロールとスロットが8つあるFXラックを使えば、さらなる音の調整も可能だ。 このインストゥルメントの最も恐ろしい点は、ホラー映画から取り込んだモノクロの背景アニメーションだ。映像は周期的に変わり、身震いで思わずマウスをクリックしてしまうような小さな恐怖を与えてくれる。

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Haunted Choir

ボーカルライブラリで有名なFluffy Audioは、救出した録音セッションからHaunted Choirを作った。この女性アンサンブルはあたたかみのあるコンサートホールで、4種類の異なるマイクセッティングと共に録音された。マイクのオプションはインターフェースの中でそれぞれ完全にミックスでき、13つの異なるコンボリューションリバーブはダイアルでwetとdryのレベルを調整可能、 ポリフォニックなレガートのハミングと「ウー」というサステインの2つのパッチが装備されている。もちろん、この合唱団を天使が昇天するかのような楽曲に使うこともできるが、それよりも、特にローエンドを強調すると、悪魔の手招きにぴったりの低い女性のヴォイスが生み出される。

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