• Eomac + Kyoka = Lena Andersson

    アイルランド人プロデューサーEomacと、日本人アーティストKyokaのコラボレーションプロジェクトに迫る。…

    Interviews
by Reuben Cornell

無償のKONTAKTトレイラー作曲ツール5選

シネマティックな音楽に印象的な響きを与えて、無料ですぐに使えるライブラリを紹介する。

ここ数年、トレイラー音楽の作曲はアートフォームと呼べるようなものになった。Trailer Genre Re-editsを少し見るだけでも、映像にぴったりの雰囲気を作り出し、期待感を生み出すために、どれほど音楽が重要かがわかるだろう。映画音楽と同様、トレイラー音楽も流行の移り変わりが激しいもので、至る所で耳にする「Hall Of The Mountain King」から「インセプション」に使われた力強いホーンまで、 映画トレイラーの音楽スタイルは様々で、数多くの種類がある。もしかすると知らなかったかもしれないが、通常トレイラー音楽は、映画音楽とは違う作曲家によって作られ、実際、トレイラー専門の音楽制作会社も存在する。このような作曲チームは最先端のサンプルやサウンドにアクセスすることができるが、そうでなくても無償で手にすることができるサウンドが存在する。今回紹介するライブラリはNIの献身的なサンプラーであるKONTAKTのフルバージョンですべて使うことができ、そのうちいくつかは、他の音楽制作ソフトウェア上にWAVファイルをドラックするだけでも使用可能だ。ポップコーンを準備して、早速作曲を始めよう。

Density Lite

奇妙にも公式サイトでは「無償でお試しください」と書いてあるが、実際はMammoth Audioのフラッグシップであるトレイラー用FXライブラリのスタンドアローン版から、トライアル向けに選ばれたたサウンドのセレクションになっている。Densityのフルバージョンは7GB以上のドローン、ヒット、リバースFX、ブーム、ブラムス、ライザー、ダウナー、スタッター、トランジションを備えているが、そこから厳選されたLite版は、サンプルの数は85個だけとはいえ、エンジンは完全に機能し、Nixieの真空管の描かれた魅力的なデザインと共に多くのパラメーターが装備されている。基本コンセプトは、2チャンネルのオーディオを兼ね備えていて、それぞれ別にボリューム、ピッチ、パニング、ADSRをコントロールすることができるというもの。マスターのFXラックにオーディオを送る前に、それぞれのチャンネルで6ステージのエフェクトラックを使って、大きなDistort and Mangleノブを回すと、大胆に音を加工することができる。フルバージョンでアクセス可能なサウンドがサンプルブラウザ上に魅惑的に表示されるが、付属のWAVファイルをDAW上で使えば、この広告表示に邪魔されることなく作業が進められる。

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RAW Power Metallic Percussion

お得な製品が揃っているVST Buzzが提供している無償ライブラリのラインナップはどんどん増え続けているが、このメタリックパーカッションのパワフルなコレクションは、シンバル、ベル、チャイム、パイプ、ドア、メタルシート、ホラーやサスペンスにぴったりのシンバルのパッチやビブラホンを弦で演奏したサウンドなど、伝統的な楽器からハードウェアまでの全領域をカバーし、レコーディングスタジオというより日曜大工商店のようだ。ライブラリのインターフェースはシンプルで、サウンドがキー上にレイアウトされ、6種類のエフェクトと調整可能なパラメーターを装備している。多彩なOne-ShotとFXのパッチは、賑やかなミックスの中でも際立つ明るい一打を与えてくれて、トレイラー作曲家にとって使いやすい。いくつかのサンプルを重ねた後にピッチを下げ、ディストーションとリバーブを加えれば、トレイラーのパーカッション部分を増強してくれる雄大なメタル「ドラムキット」の出来上がりだ。

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Epic Trailer Sounds

素晴らしいサウンドデザイナーの手による雄大で最高峰のサンプルを提供しているAudio Imperia。Scenes From The Multiverse といったパックの精選されたパーフェクトなサウンドは、数多くの有名な映画やゲームの中で耳にすることができる。今回紹介する無償ライブラリの60個のサンプルは、Generdynとしても知られているオーストラリアのサウンドデザイナーのJoshua Crispinが制作と編集をしたものだ。これまでに彼はEAの「Battlefield 1」などのために、NIのディストーション発電所であるDRIVERを含む多彩なプラグインを使って、個性あふれるサウンドを制作してきた。Epic Trailer Soundsは必要最低限のインターフェースを装備した大変シンプルなもので、サンプルはキーグループ上にアトモスフィア、ヒット、トーナルループ、ライザーといった形で大まかに分類されている。フォルダ内にはWAVファイルがあり、テンポ情報なしでループを使う方が恐らく簡単なので、サンプルをDAWにドラッグして、自分のお気に入りのサウンドに加工していく使い方がオススメだ。

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Umlaut's free Products bundle

Umlaut Audioのお試しパックは、彼らの有名なKONTAKTインストゥルメントを集めたダイジェスト版だ。見事にサンプルされたuBeatドラムマシンはヒップホップ好きの興味をそそるものだが、今回はTrailer Hitsのコレクションについて紹介したい。サンプルの数は25個と少ないが、最新のトレイラー作曲の現場ですぐに使えるサウンドが揃っている。ボリューム、パニング、そして、ピッチシーケンサーは、最大32ステップのオートメーションが可能で、トランスフォーマースタイルのゲイトスワイプやスタッターライズを楽しく簡単に作ることができる。7つのキースイッチは、ディストーション、フィルター、ローファイ、トランジェントシェイピング、コンプレッション、ディレイ、モジュレーションといったエフェクトをトリガーしてくれる。サンプル数は少ないが、音を加工したり少し工夫して重ねるだけで、一般的なサンプルサウンドを素晴らしく挑戦的な領域まで押し進めることが可能だ。

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Cinematic Synthetic Drums

大ヒットアクション映画のトレイラーは、興奮感を強めるために、アコースティックとエレクトロニック両方で、幅広い種類のサウンドを使っている。Impact Soundworksのこのライブラリは 「パシフィック・リム」や「バトルシップ」からインスピレーションを得ていて、シンセドラム、テクスチャー、ベース、スタブなど、胸が高鳴るようなデジタルサウンドを幅広く装備。KONTAKTのパッチとともに、WAVファイルのサンプルも用意されているので、お気に入りのDAWでドラッグ&ドロップするだけでも使うことができる。低音でゴロゴロいう猫の鳴き声から泡立つようなホワイトノイズのシンバルまで、サウンドのセレクションは折衷的だが、全てのサウンドの共通点は、特定のドラムマシンからサンプルされたものではなく、ゼロからソフトシンセやハードウェアシンセを使って作られたものだという点だ。サンプルレンジはsのキーを使ってマッピング可能で、5つのキースイッチを使えばディストーションやフェーズプロセッシングを素早くトリガーすることができる。アンサンブルモードでは音の広がりやタイト感を調整しながらドラムを重ねることができ、大きく鳴り響くようなドラムパートを構築できる。ドラムには最大10のラウンドロビンが用意されていて、捻りのあるパーカッションの包括的なコレクションになっており、SFやハイブリッドなトレイラーの作曲にぴったりだ。公式ウェブサイトで、ギターやチップチューンのインストゥルメントを含む他の無償ライブラリをチェックすることもお忘れなく。

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