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by Ronan Macdonald

KONTAKTで使える無償の珍しいビンテージシンセサイザー5選

いつものシンセサウンドに飽きていませんか? これからご紹介する「隠れたお宝」を忠実に再現したシンセを使って作品に個性を出そう。

ビンテージシンセをシミュレートした良質な音源を探している人にとって、素晴らしい製品は無数にあれど、特定のパッチや波形の完全な再現を求めるなら実機のマルチサンプルを使うのが一番良い方法だろう。KONTAKTはこのような用途にぴったりで、定番シンセのライブラリが様々な開発者から幅広い価格帯で提供されている。実際、予算が無くても、発掘すべきレトロなお宝はたくさん存在する。

この記事では我々がピックアップした5つの音源を新進気鋭のベルリン在住プロデューサー、マルチインストゥルメント奏者のYaffraに作成してもらったデモ音源と共にご紹介しよう。注目すべき存在であるYaffraは歌手兼チェロ奏者のKelsey Luを始めとした多くの大物達とレコーディングやツアーを行ってきた。Yaffraの変幻自在なサウンドはBandcampでチェックしよう。

これらのライブラリを使用するにはフルバージョンのKONTAKTが必要だ。

Gombulator

ハンガリーのシンセポップデュオThe Gombとのコラボレーションによって開発されたGombulatorの不思議なインターフェースは、彼らの2016年のアルバム「Break (And Amends)」のジャケットを元にしている。サウンドバンクに含まれる6つのプリセット (ピアノ、オルガン、トランペット、フルート、バイオリン、チェンバロ) とドラムキットは80年代初頭のYamaha PSR-15ポータブルシンセからのマルチサンプルであり、丁寧に処理されたそれらのサウンドは「三日月」型のノブを回すことで選択が可能だ。更に「水面」をクリックすると伴奏用にサンプルされたコードがランダムで演奏され、全ては1つの美術品のようにまとまったサウンドを作り出してくれる。

Gombulatorをダウンロード

Micro Pod 1 and 2

イギリスのサウンドウェア開発者であるSynth Magicが作成したこのKONTAKTライブラリのペアには38つのレトロシンセパッチのサンプルが含まれており、インターフェース上でのアンプやフィルターエンベロープ、種類豊富なフィルター、LFOなどのカスタマイズが可能だ。サンプルに使用された楽器は定かでなく、「Yamaha PCS500ホームキーボード、Originシンセ、8-bitシンセ波形」という大まかな情報が公表されているだけだ。しかし重要なのは、Micro Pods 1と2がとても力強く刺激的なサウンドを奏でるという点だ。調整可能なパラメーターのおかげで幅広い使い方が出来るだろう。

Micro Pod 1と2をダウンロード

Hideaway Studio collection

このHideaway Studioの音源コレクションは、Wilson独自の「Discrete Tube Synthesis」テクニックを元に特注されたものだ。その発想はDelia Derbyshireの影響を受けており、「古い真空管テストギアとDIYで作られた真空管回路のみを使用して新たなインストゥルメントを1音ずつ、レイヤー毎にに作る」というのを特徴としている。DIY Tube Harpsichordの刺々しい力強さからWarm Pentode Brassのダークなヴァンゲリス感に至るまで、結果的に生まれた「電子的な実験達」からは温かさやオーガニックさが強く感じられる。

Hideaway Studioコレクションをダウンロード

Free DW8000 collection

Korg DW-8000ハイブリッドデジタルアナログシンセの音を幅広くマルチサンプルしたこの音源であなたのKONTAKTライブラリを充実させよう。オリジナルのパッチやサンプリングはすべてKVRフォーラムのdokidokipanix (通称Alex) によるもので、特別なテーマなどは持たず、ストリングス、パッド、パーカッション、キーボード、ボーカル的な音色、FXなどのサウンドが含まれている。パッチによってはシンセのノイズを取り除くためにKONTAKT上でフィルターをかけていたり、ディレイやリバーブを足していたりするが、DW-8000らしいサウンドは隅々まで残されている。

DW8000 Collectionをダウンロード

Easy Life

Cinematique社の設立10周年を記念して2019年にリリースされたKONTAKTの無償ライブラリKlangシリーズに属するこのEasy Lifeは、EMS VC3シンセからキャプチャした1つのサンプルから作られた。その豊かな周波数の音はアルペジエーターへと送られ、音の長さ、ローパスフィルターのカットオフ、アルペジオのレートなどの調整ができる。FatnessとDistortionボタンでは温かみと粗さを追加でOn/Offすることができ、アルペジオにはランダムモードも備わっている。単独のスライダーで調整するディレイとリバーブでは空間とエコーを足すことが可能で、後者はコンボリューションモデルの選択まで行うことができる。

結局のところ、核となるサンプルがEasy Lifeの全てだ。そのサンプルはインターフェースに備えられたパラメーターやアルペジエーターにしっかりと反応するように設計されており、どのようなエレクトロミュージックにも最高のサウンドを奏でてくれるだろう。

Download Easy Live
※ご注意:2021年8月現在5ユーロの有償製品となっています。

Photo credit: Gunda Schliep

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