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by Reuben Cornell

East Asiaに収録されている中国楽器について学ぼう

3部作シリーズの初回となるこの記事では、中国の伝統楽器の興味深い起源、そして使用の歴史について紹介する。

中国音楽の歴史には敬意を持って向き合う必要がある。王朝や古代社会の時代から続く、これほど豊かな音楽史を持った国はそうそうないだろう。考古学者達は8000年以上も前の骨笛、チャイム、ベルなどを発掘してきた。昔の芸術作品に登場する楽器の姿は現代の中国音楽で使われているものと似ており、扱われてきた音楽的なテーマや楽器構造などはシンボリズム、宗教的な側面を色濃く反映している。中国では元々「音楽」は貴族のためのものであったが、時代と共に演奏の機会は朝廷から公共の劇場や一般家庭に広がっていった。国としては数世紀の孤立期間があったおかげで、その音楽は独自なスタイルへと進化した。しかし激しい国境紛争を行ってきた歴史もあり、近隣国の音楽や楽器の影響も少なからず受けている。

中国音楽の5音からなるペンタトニックスケールは、彼らの音楽の中ではスタイルを問わず、容易に見つけ出すことができる。このスケールは中国音楽の核となる要素であるため、そのスケールに合わせてチューニングされた楽器も多く存在し、近年ではクロマチックな演奏が出来るように進化を遂げた楽器も存在する。そのため、中国の弦楽器や木管楽器を西洋の楽器と組み合わせるのはとても面白い。パーカッション楽器の種類も豊富で、75種類が正式に確認されている。まずはそんなパーカッション楽器からご紹介しよう。

Percussion

East Asiaのパーカッションセレクションには中国音楽で使用される定番の楽器が収録されている。ハイピッチのドラムや鋭い金属音のするシンバル、ウッドブロックなどは国を象徴するサウンドだ。これらのパーカッション楽器はドラマチックなChinese OperaLuoguスタイルでパフォーマンスするツアーミュージシャン、語りをするKuaibanshuの伴奏から観客を楽しませるBeiguan作品まで、幅広いジャンルの演奏に使われている。そして中国音楽ではこれらの形式によって、使われるパーカッションの組み合わせが具体的に定められているのだ。East AsiaではChinese Ensembleパッチをロードして、ミキサーページで個々の楽器間のバランスを取ることで、オリジナルのアンサンブルセットを作ることが出来る。また、個々の楽器のパッチを使うことでより表現力のある演奏が可能だ。

世界的に見ても、ドラムは最古の楽器だ。中国語で「Gu」はドラムを意味しており、様々なバリエーションで存在するドラム系の楽器名には「Gu」の接尾辞が使われている。そして、形容詞で楽器の大きさを表している。そのため、「Dagu」は「大きなドラム」を意味しており、西洋のマーチングバンドのバスドラム程の大きさに相当する。「Xiaogu」はより小さなドラムを意味しており、トム程の大きさに相当する。叩く場所(ヘッド、もしくはリム)によって音が変わるため、East Asiaでは複数のアーティキュレーションをサンプルしている。

ドラム楽器のネーミングと同じ仕組みで、ゴング系の楽器には「Luo」という接尾辞が付いている。東アジアの人々にとって、ゴングはとても重要な意味を持った楽器だ。ゴングは元々儀式などの用途に使用されていた楽器で、数世紀前から中国音楽でも使われるようになった。基本的に2つのバリエーションがあり、小さなボディでピッチが上がる方がXiaoluo、大きなボディでピッチが下がる方がDaluoだ。East Asiaにはミディアム、ラージサイズのシンバル楽器も収録されており、鳴り響かせた状態やミュートした状態などのユニークなサウンドを使い分けて、様々な中国音楽のスタイルに合った装飾を足すことが出来る。

Dizi

笛は人類が生み出し、演奏してきた最も古い楽器の一つだ。中でも横笛は9000年以上も前から中国で演奏されて来たが、現在のDiziはモダンな構造をしており、特殊な振動膜が足されている。この薄い振動膜があることにより倍音が増えて音量が大きくなるため、忙しいオーケストレーションの中でもしっかりと音の通る、特殊な笛として扱われている。通常は中国の伝統的なペンタトニックメジャースケールにチューニングされるディズーだが、歴史の中で多くの変化を遂げてきた。1つの変化は、西洋音楽の演奏に適するように、平均律を基準としたチューニングのモデルも製造されるようになったことだ。伝統的なモデルでもクロマチックな演奏は可能で、技術のある奏者であれば6つの演奏用の穴を半分塞ぐなどして、本来出せない音を鳴らすことが出来る。しかし、ほとんどのプロ奏者は個々の調に対応した楽器を複数所有していることが多い。East Asiaに収録された他のクロマチック系楽器と同様、Diziは様々なスケールに変更することができ、また、演奏可能なスケール音や音域、装飾の区別が鍵盤のカラーリングで分かるようになっている。

Erhu

Erhu (二胡) はとてもよく使われる中国楽器で、使用用途が幅広く、ポップスからフォークまで様々なジャンルで使用される。バイオリンに似た構造の楽器で、2本の弦が張られており、弓を使って演奏される。実際に弦もD4とA4にチューニングされており、バイオリンの真ん中の弦2本と同じだ。この共通する特性のため、Erhuのサウンドは西洋のオーケストラ楽器とても相性がよくマッチする。Erhuは人間の声に近い性質を持ち、粗く耳障りな音からなめらかで甘い音まで、とても幅広い質感を表現することができる。弦はレゾネーターやネックから距離があるため、ビブラートやピッチスライドの奏法を容易に使うことが可能だ。East Asiaに収録された様々なピッチベンド奏法を使って、リアルなサウンドを自身の作曲に取り入れてみよう。ポルタメント、スライド、ベンド、モルデントなどの各奏法がどのキースイッチにアサインされているかは、East Asiaのマッピングメニューで確認出来る。

Guzheng

約2500年の歴史があるGuzhengはアジアに存在する様々なツィターの祖父のような存在だ。大きな共鳴板には13本の弦が張られており、ペンタトニックスケールにチューニングされている。各弦はバンジョーのピックに似た演奏用の付け爪を指にはめて演奏される。伝統的なスケール音から外れた音を演奏する際に、奏者は弦を下に押してピッチを上げるのだが、このベンド奏法がGuzheng のサウンドの特徴となっている。弦を弾く右手のブリッジからの距離を動かしたり、左手でビブラート、ミュート、ハーモニクスなどの奏法を組み合わせることによって、様々な音色を出すことが可能だ。East AsiaのGuzheng にはこれらの奏法に加え、パフォーマンススライダーまたはキースイッチで操作できる、サステイン感を生み出す特徴的なトレモロ奏法を収録している。

Guqin

Guqin (省略してQinとも呼ばれる) はただの楽器ではない。中国の人々にとってGuqinは文化の基盤であり、象徴だ。3000年の長い歴史の中で象徴、崇拝の対象とされてきたグーチンは慎みと節度の楽器として知られ、とても繊細な音を出すための構造をしている。ギターやバイオリンなどと同じ弦鳴楽器に属しており、アコースティックのアップライトベースに似て、7本の弦がフレットレスの共鳴板の上に張られている。Guqinは4オクターブ以上の音域を持ち、Guzhengと同様、ペンタトニックスケールにチューニングされている。また、中心部にブリッジがないため、各弦は幅広い音域を奏でることが出来る。歴史の中で進化してきた演奏法は現在では50を超え、とてもユニークな伝統的な記譜を元に演奏される。East Asiaにはスライド、ハーモニクス、ダンパー状態の音などの一般的な奏法に加え、より手の込んだ奏法を交えたフレーズ、パターン集が収録されている。

Pipa

Pipaは中国の伝統に多く登場する楽器で、彫刻や芸術作品にはピパを演奏する戦士達がよく描かれている。古代中国の4大美女の一人、Wang Zhaojunが伝統的なピパを演奏している姿も多くの資料に残されている。中国の演劇で長く愛されてきた作品にも「Story of the Pipa = ピパの物語」というものがある。この弦楽器は見た目も音もとても印象的だ。大きな洋梨型のリュートの様な姿をしており、A-D-E-Aにチューニングされた4本の鉄弦は約30あるフレットの上に張られている。各弦の間隔が大きいため、表現豊かなプラッキングやピッチベンドが可能であり、奏法としてよく使われる。技術のある奏者であればLunziという全ての指を均一の速度で動かして行うトレモロ奏法が可能だ。パーカッション的、シンバル的なサウンドを共鳴板を叩いたり、弦を擦ることで表現することも出来る。これらの奏法もEast Asiaに含まれており、2つのFXキースイッチにアサインされている。

Yangqin

East Asiaコレクションの中で一番若いYangqinには500年の歴史がある。Yangqinの構造は横向きのピアノをイメージすると分かりやすく、個々のピッチに対して複数の弦とフェルトダンピングが備わっている。ピアノのようにハンマーで弦を叩く代わりに、Yangqinは竹の撥で弦を叩いて演奏される。計144本の弦で演奏できる音域はたったの4オクターブだ。クロマチックに配列された個々のピッチに対して最高5本までの弦が同じピッチで貼られており、その効果で丸く心地よい音が鳴る。竹製の撥は柔軟で弾性があり、そのおかげで素早いトレモロロールの演奏が可能だ。East Asiaにも様々なバリエーションを収録している。パフォーマンススライダーやお使いの鍵盤のモジュレーションホイールでトレモロ効果を足すことも可能だ。実際の演奏では奏者は手やペダルでフェルトパッドを弦にあてることで音をダンピングし、表現の幅を広げることが出来る。East Asiaではこの効果をSounding Notesのインターフェースコントロール、もしくはB1のキースイッチで足すことが可能だ。

 

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