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by Native Instruments

DJ MITSU THE BEATS:
海外のラップ番組に憧れた少年が
日本を代表するビートメイカーになるまで

日本を代表するHip Hopのプロデューサーといえば必ず名前が挙がる、GAGLEのビートメイカーDJ Mitsu the Beats。このインタビューでは彼が音楽活動をはじめるきっかけから現在の制作スタイルに至るまでの道のりや、現在の制作環境など、音楽制作の裏側についても深く語ってもらった。

ー 音楽活動を始めたきっかけは?

ブラックアメリカンミュージックにハマったのがきっかけですね。中学生の頃、USトップ40をテレビで観てて、最初はなんとなく良いなとは感じてたんですけど、姉が雑貨屋で入手した海外のラップ番組が録画されたブートレグビデオを観て、衝撃を受けたのが決定打になりましたね。

そこから何やらDJっていうのが居るな、ということがわかって。その後、色々調べていたら、丁度テレビの深夜番組でDJバトルみたいなのがあって、まずはDJの方に興味が湧きましたね。

高校生でお金が無かったので、2台で5千円位だったベルトドライブのターンテーブルを父が持っていたステレオコンポに繋いだDJセットで。L-Rチャンネルが独立してボリュームコントロールできるコンポだったので、それを工夫して操作して、なんとかミックスしていました。

DJ Mitsu The Beats Interview

しばらくはその方法でDJの真似事をしてたんですが、どうしてもちゃんとしたスクラッチが出来ないんで、Vestaxのミキサーだけ何とか買いました。ターンテーブルはというと、通っていた私立高校に”年間の成績優秀者に1年分の学費が返金される。”という制度があったんです。その事を父に相談したところ、もし返金されたらそのお金を自由に使って良いということだったので、1年間必死に勉強を頑張って、無事に達成することができて。最終的にその返金された学費でターンテーブルを買うことができたんです。ちなみに、その年は水泳でも国体とインターハイに出場したので、卒業時に学業とスポーツの両カテゴリーで表彰されました(笑)。

機材が揃ってからは、とにかくずっとスクラッチをし続けてました。その頃憧れてたのはQ-Bertで、毎日彼のビデオを観て研究してスクラッチばかりしてました。大学に入り仙台で生活を始めてからも、もちろんスクラッチし続けてました。今では有名になったDJ KENTAROにスクラッチを教えたり、6th Generationや仲間とスクラッチカーズってグループ名でバトルDJのチームを作ったり。

その頃、それと並行して曲作りも始めていました。最初に作った曲をgrooveman Spotに聴いてもらったのを覚えています。オリジナルカバーというラップグループでDJしたり、影法師ってグループをHUNGER (現GAGLE) とやったり、そんな中で少しづつオリジナルで曲を作ろうという気持ちが芽生えて、徐々に制作にのめり込んで行きましたね。それ以降、色々な人に曲を聴いてもらえるようになり、沢山のプロデュースやリミックスをしてきました。それが現在も続いてる感じです。

ー お気に入りのアーティストは?

オールタイムベストはもちろん”J Dilla”。最近はよくやり取りしてる事もあり、韓国のアーティストをよく聞いています。Primary、Crushが特に好きですね。

ー 音楽制作を始めた当時、なぜMASCHINEを導入しようと思ったのでしょうか?

ガジェットが大好きで、新しい物にも興味がありまして。初めて導入したのは初代のMASCHINE MK1ですね。それまでビートメイクといえば”これ”っていう、機材に対する固定概念があったんですが、今までの機材では出来なかった事が、MASCHINEでは出来そうだと感じたからです。そのころMacを使った音楽制作の機会も増えていたので、パソコンとの相性も良いという意味でも可能性を感じました。

ー MASCHINE+に初めて触れた時の印象はどうでしたか?

スタンドアローン型のMASCHINEが発売されるっていう話を聞いた時点で興奮しましたね。GAGLEでのライブ時にもMASCHINE MK3を使用していたので、スタンドアローンで動作するっていうことを知った時点ですでに嬉しかったです。まず、箱を開けて驚いたのは、その高級感と剛性を感じさせる筐体ですね。所有する喜びを感じさせるものでした。また、パソコンとケーブルで繋がなくてもSDカードでファイルのやり取りが出来るのはすごく便利です。あとWi-Fiでアップデートするという点も機材の進化を感じました。とにかく思い立ったら電源つないでボタンを押せば開始できるのが嬉しいですね。

ー 現在のスタジオのセットアップを教えてください。

これが今の制作の中心機材です。MacBook Proを外部モニターに映像出力して、RMEのFireface UCXを接続、そこにEVE AudioのSC207というモニタースピーカー、MASCHINE+、KOMPLETE KONTROL S49をMIDIで接続、MASCHINE+のオーディオ入力にMoog Little PhattyとFender Rhodesを繋いでいます。

DJ Mitsu The Beats Studio 1
DJ Mitsu The Beats Studio 2
DJ Mitsu The Beats Studio 3
↑スタジオの中心にはMaschine+とKomplete Kontrol S49が設置されている。オーディオインターフェイスはRME Fireface UCX、モニタースピーカーはEve Audio SC207を使用。
↑写真左手側にはFender Rhodes MK1 Stage Pianoが、その上にMoog Little Phattyが置かれている。
↑スタジオ全景:右手下には沢山のレコードも。

ー 音楽制作時に心掛けている事や、制作の流れ、Tipsなどがあれば教えて下さい。

心掛けている事は”時間”ですね。なるべく決まった時間に作業して、その時間内に終わらせようとすることです。利点はあまりやる気に左右されないという事。もちろん締め切りに間に合わない場合はオーバーしてもやりますけど、基本的に9~16時と22時~2時の2部に分けて作業しています。

自分はMacに大量のサンプルをアーカイブしているので、それをMASCHINEに取り込んでから打ち込みます。素材はざっくりとした長さのサンプルか、予め用意したエレピなどの音源などですね。

それからドラム → ウワモノ → ベース → SEや鍵盤楽器の順で基本のループを作り、構成を組んでいきます。ある程度の展開まで完成させた後にまたMacに取り込み直して、素材を足したり、そのままミックスの作業に移行したりしますね。

最近のお気に入りのテクニックは、大体の構成を組んだ後に、全体もしくはStemの状態で再生して、リアルタイムにPerform FXを掛け録りする事です。以前はTRAKTOR KONTROL D2を使って同様の効果を得ていました。

今年発売予定のソロアルバムでSKYZOOと作った曲があるんですが、その曲にエレピ音源のGeorge Duke SOUL TREASUREを使用しました。このソフトは最高で、あまり人には教えたくないくらいです(笑)。

あと、制作に行き詰まってしまった時は、色々な音楽を聴くようにしていますね。それ以外にも、家が秋保温泉という温泉街からすぐ近くなので、日帰り温泉に行ってリフレッシュしたりします。

DJ Mitsu The Beats Screenshot
↑DJ Mitsu The Beatsの秘密兵器、エレピ音源 George Duke SOUL TREASURESがMASCHINE 2ソフトウェア内に立ち上げられている。

ー Mitsu The Beatsさんにとって、MASCHINEとは?

ビートメーカーには欠かせない物です。サンプルをチョップするという行為は、自分にとってとても重要な事なので。切り貼りする行為自体にHip Hopを感じるからなんだと思います。あの独特の感じはそれ以外の方法では出せないので。

DJ Mitsu The Beats Maschine Plus close up

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