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by Kevin McHugh

無償プラグインでミキシングをはじめよう

how to start mixing with free plugins

特に、世界最高のプロのスタジオで使用されているものと同等の品質の音楽制作ツールやミキシング ツールが無償で提供されていることがあります。

Native InstrumentsのKOMPLETE STARTパッケージには、2,000以上のスタジオ品質のサンプルとループ、16のプロレベルのシンセなどが完全無料で収録されていることはすでにご存知かと思いますが、今回はトップレベルの仕事も耐えうるiZotopeの無償ミキシングプラグインと組み合わせて、楽曲をレベルアップさせる方法をご紹介します。

目次:

  1. Ozone Imagerでサウンドを広げる
  2. Vinylでローファイ感を作る
  3. Vocal Doublerで歌声に深みと奥行きを与える
  4. エフェクトの組み合わせによる創造性

Ozone ImagerVocal DoublerVinyl.など、無償のiZotopeプラグインを使ったチュートリアルに沿って進めていきましょう。

 

無償のミキシングプラグインを入手する

1. Ozone Imagerでサウンドを広げる

素晴らしいミックス特徴の一つは、ステレオイメージが素晴らしいものであることです。中央の音像はふくよかで力強く、ステレオの両端も生き生きとさせることが効果的です。それには、中央と両端のステレオイメージのバランスを調整できるツールが必要です。Ozone Imagerは、そのような調整が可能なツールで且つ無償で提供されています。

ミキシングにとって低音は、いろいろな理由で厄介な領域です。理由の1つは、低音はセンターチャンネルでクリアに存在する必要がありますが、モノラルだけだと鈍く感じることがあります。KOMPLETE STARTに収録されているTRK-01 Bassを使って見て行きましょう。

これはかなりクラシックなシンセベースサウンドで、多くの伝説的なハウストラックで使用されているものを彷彿とさせます。Ozone Imagerで見てみましょう。

TRK-01 Bass in Ozone Imager
TRK-01 Bass in Ozone Imager

センターチャンネルは、真ん中の細い直線で示されているようこれは見ての通りモノラルです。悪いことではありませんが、これに少しステレオイメージを加えることで、活気を出すことができます。Ozone Imagerでそれを試してみましょう。

その音はこんな感じです。

より生き生きとした音になりましたね。低音はまだ真ん中にありますが、左右のチャンネルに広がっていくのが聴こえるので、以前にはなかった広がりと立体感を感じます。

Wide bass sound in Ozone Imager
Wide bass sound in Ozone Imager

このベースのスペースが広くなったので、よりプロフェッショナルなサウンドのミックスを作るのに大いに役立ちそうです。さらに、フェイズメーターを見ることで、フェイズキャンセルによってコントロールが効かなくなり、精細感が失われていないことを確認することができます。

2. Vinylでローファイ感を作る

今回は、シンプルなドラムパターンを作って、クラシックなハウスサウンドにしてみましょう。まずは、TRK-01 Bassを補完するKOMPLETE STARTの別のツールを使ってみましょう。ドラム音源「TRK-01 Kick.」です。

TRK-01 Kick
TRK-01 Kick

では、この基本形のドラムを聴いてみましょう。

また、EXPANSION SELECTIONSに収録されているループをこのキックと重ね、パーカッションのグルーヴを追加します。

FREE EXPANSIONS loop
FREE EXPANSIONS loop

ここでは、ループがキックとどのように組み合わされるかを説明します。

オールドスクールなサウンドにしたいので、iZotope Vinylを使って、ビンテージなテイストを加えましょう!iZotope Vinylは、ローファイなグリットを追加するための複雑で細かいコントロールを可能にします。

レコードのノイズを再現することで、初期のハウスやヒップホップのようにサンプリングされたようなドラムを作ることができます。電子的な信号経路だけでなく、レコードの表面から出るノイズの量もコントロールできます。また、左上の年代を選択することで、どこまでビンテージ感を出すかも選択できます。

iZotope Vinyl
iZotope Vinyl

そして、Vinylで少しザラザラ感を加えた後のループとキックサウンドを組み合わせるとこのようになります。

3. Vocal Doublerで歌声に深みと奥行きを与える

過去50年間、最も試行錯誤されたプロフェッショナルな制作技術のひとつが、ダブリングボーカルです。ビートルズからビヨンセまで、あらゆるメジャーアーティストが、1つの声を2つ、あるいは3つ、4つと重ねることで、豊かなボーカルサウンドにしています。ボーカルブースで行うには正確さと忍耐が必要であり、プロデューサーとして扱うには多くの費用と経験が必要です。

幸いなことに、Vocal Doublerを使えば、この効果を無償で実現することができます。このプラグインは、エフェクトがかかった音のミックス量をコントロールでき、1つのボーカルテイクをあたかも複数のテイクを積み重ねたように聴かせることができます。

エフェクトをかける前のボーカルがこちらです。

Vocal Doublerで、オリジナルのボーカルが埋もれない程度に少し深みを持たせました。オリジナルをサポートし、引き立てるのに十分な量です。

Vocals doubled with iZotope Vocal Doubler
Vocals doubled with iZotope Vocal Doubler

これがその結果です。

さらに、Ozone Imagerを使うことで、微妙にステレオ感を拡げることも可能です。それでは、そのサウンドをお聴きください。

4. エフェクトの組み合わせによる創造性

これらのエフェクトは、必ずしも決められた方法だけでなく自由な使い方をすることができます。コード進行をダブらせることでハーモニーを豊かにすることができます。KOMPLETE STARTの素晴らしいツールの一つであるHYBRID KEYSからRhodesスタイルのサウンドでコード進行を作りました。

HYBRID KEYS
HYBRID KEYS

では、クリエイティブエフェクトとしてVocal Doublerをかけたときのサウンドを確認してみましょう。

より調和がとれて、音のアタックも少し柔らかくなって味わいが増しましたが、幅が狭くなったような気もします。幸いなことに、Ozone Imagerが助けてくれます。もう一度幅を広げて、ステレオイメージを復元しましょう。

無償のプラグインでミキシングを始めてみましょう

私たちは、ここにいくつかのデモを作りました!どのように組み合わされているのか想像しながら聴いてみて下さい。

ミキシングもうまくいっており、深みとハーモニーの複雑さ、そして硬さとパンチのあるワイドミックスになっていますね。

次はあなたの番です。iZotopeのこれらの無償プラグインと、無償のKOMPLETE STARTバンドルを手に入れて、ワイドでダブリングして、且つ懐かしく聴こえるような独自の音楽をミックスしてみてください。

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