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by Native Instruments

ソフトウェアシンセに温かみを加える方法

ソフトシンセのサウンドに温かみを加えるための制作ガイド。

EQ、コンプレッサー、エフェクトの簡単なテクニックを使い、作品に温もりのあるアナログサウンドを加える方法を解説しよう。 もともとThe Loop Loftで公開された記事だが、作品に人間味のあるサウンドを取り込むための素晴らしい実験・制作ガイドなので、今回紹介したいと思う。

それでは一体、音楽に温もりを加えるとはどういうことなのだろうか? 周波数なのか?存在感なのか?音のまろやかさだろうか? 温もりとは人によって捉え方が違うため、はっきりと定義するのがとても難しい。

今回の記事の中での温もりとは、あなたを空間に引き寄せ、温かさを感じさせてくれるものと定義する。 曲に温もりを加える時の狙いは、アナログでリアルな、人間味を感じさせることだ。 音楽の制作時には、ソフトシンセが使われることが多い。 ソフトウェアシンセは、手頃な価格で、持ち運びや柔軟性にも優れていて、とても便利だ。 ハードウェアシンセサイザーやモジュールが好きな人でも、創造力の趣くまま手早く作業ができることから、新しくて面白いサウンドを生み出すソフトシンセに手を伸ばすことが多々あるだろう。

 

The synth

まずはシンプルなパッドサウンドからスタート。 お気に入りのDAWで、シンセパッドやストリングのプリセットを自由に開いてみよう。 さらに冒険したいなら、2つのオシレーター(たとえばポリフォニックのサイン波とのこぎり波)にフィルターを加えて独自のシンセを作るのも良い。 ここでの目標は、ベーシックな音を出すことだが、何らかのキャラクターを加えれば音を際立たせることができることを理解しておこう。 次のセクションからは、すぐに使えるプラグインを使って、サウンドに温もりとヴァイブスを加えるテクニックをいくつか紹介していく。

これがパッドサウンドの例だが、サウンドはとてもドライだ。

EQ

プラグインを使って始めるならEQが最適だ。 EQが素晴らしいのは、シンプルなローカット、ハイブースト、またはその2つを組み合わすだけで、シンセサウンドに大きくインパクトを与えられることだ。優れたフィルターを備えたシンセも存在するが、Qの調整が可能なマルチバンドのパラメトリックEQほどのディテールを得ることはできない。EQを使うもう一つの利点は、ハイパスフィルターまたはローパスフィルターを急角度に設定して「帯域幅を制限」と呼ばれるような実験をしたり、周波数帯域にリミットをかけられることだ。 例えば300Hz以下をすべて削ると、削られた部分の情報を含むサウンドとはまったく異なる音色になる。 温かみを感じさせたり、明るさや激しさを和らげるには、逆が必要な場合もある。 1~2k以上をすべて削り、残った部分を聞いてみよう。 EQを使うときは、まずは極端なことを試してみて、音の大きな変化や、何がどう役立っているのかを感じ取ることをお勧めする。 ある程度調整済みのサウンドをミックスしたり、1からサウンドを作成している時は、細かな処理が良いだろう。

下の例では、174hz以下すべてと、380hz/Q2.0のポイントで1.3 dB、740hz/Q1.7のポイントで4 dB削られている。 低音域が痩せ細るが、サウンドが全体的に滑らかになっていることに注目しよう。

Compression

ソフトシンセで作った音を整え、温もりを加えるには、コンプレッサーをクリエイティブに使用する方法も良いだろう。 この例ではパッドを使用しているので、制御のためのトランジェントやダイナミクスはほとんどない。 ここではコンプレッサーを音色ツールのように使用していく。 まずは、EQの場合と同じように極端な設定から始め、どんなことができるか感じ取ってみよう。 レシオを12:1または20:1に設定、スレッショルドを-20 または -30dB に下げ、どんなサウンドになるか聞いてみよう。 おそらく以前よりもキツくザラついて聞こえるはずだ。 パッドの場合は、常に5-10 dBのリダクションがあれば良いだろう。 このようにコンプを使うと、サウンドのダイナミクスが変化するだけでなく、トーンも完全に変化する。 EQも使用して、2つのエフェクターがどのように相互作用するか試してみよう。 コンプレッサーの前にEQを配置すると、EQで作った新しい音にコンプレッサーがかかる。 厳密なルールは特にないので、配置を逆にしてその結果を聞いてみるのもよいだろう。 マルチバンドのコンプレッサーを持っていれば、この場所で試してみるのもオススメだ。

この例では、レシオ20:1の設定で、16dBのゲインリダクションを一定にして得たコンプレッサーの強さを聞くことができる。 長い持続的なコードの中にかすかに動く音が聞こえる。大規模な曲の一部なら、このサウンドの微妙なリズムの変化が、アレンジに心地よい動きを加えるかもしれない。

Distortion/Saturation

次に、ディストーション、オーバードライブ、サチュレーションを加えてみる。 時として、このエフェクトが真っ先に使われる場合もあれば、DSPが懸念される場合にはこれだけが唯一使用される場合もある。 多くのシンセサイザーにはディストーション回路が内蔵されていて、ハーモニックカラーを加えたサウンドがどうなるのか聞けるので便利だ。 EQ/コンプレッサーのテクニックとは異なり、ディストーションやサチュレーションは控えめに使うことをお勧めしたい。 派手に音を汚したい時は極端な操作をすればよいが、わずかな温もりを加えたいだけなら、まずはディストーションをほんの少しだけ加えてみよう。 音に歪みが加わり、ハーモニクスが複雑になっていくのが分かるだろう。 例えば、NIのCRUSH PACKに収録されているDIRTは多彩な機能を持つ特徴的なプラグインだ。 このアナログモデル化されたVSTは、2つのチャネルで3種類のカラーを与え、歪んだ音色の幅広いスペクトルを生み出したりブレンドすることができる。

この例では、ディストーションのプラグインで、ドライブ、クランチ、ローエンドがわずかに加えられている。 繰り返すようだが、わずかな変化でも効果は大きい。 EQで174hz以下の周波数はすべて削ってしまったので、ディストーション・プラグインで生成されるローエンドは、やや人工的でホワイトノイズのような音質になっている。

Bit reduction

シンセサウンドに温かなヴァイブを加えるシンプルだが強力なもう1つの方法は、ビットリダクションを使うことだ。最近のDAWなら、サンプルレートとビット深度が最低でも44.1khzと16ビット、あるいは、192khzと32ビットぐらい高いこともある。 この解像度によってサウンドは驚くほど鮮明で詳細に再現されるが、同時に、サウンドが少しやせ細り冷たく感じられることがある。 ビットリダクション・プラグインは、例えばオーディオの解像度を8ビットまで下げ、信号にザラザラした手触りやノイズを加えることができる。 CRUSH PACKBITEはビットクラッシャー、またはサンプルレート・リデューサーと呼ばれるエフェクトで、初期のデジタルサンプラーのようなサウンドを作ることができる。

下の例では、ビットリダクションがほんの少し効いているのが分かるだろう。 このプラグインはとてもかっこいい高倍音を作ることができるが、ここではミックスノブを5%に設定して効果を少なめにしている。

Chorus and pitch shifting

今回の記事で最後に紹介するのが、コーラスやピッチシフトのプラグインだ。 シンセサイザーのピッチやタイミングをほんの少し変えるだけで、雰囲気や特徴が大きく変わることがある。 繰り返しになるが、多くのハードウェアやソフトウェアのシンセサイザーにはコーラスが内蔵されているので、まずはそこから気軽に始めてほしい。 そしてプラグインを使えば、チェーンのどこにでも配置できる。 例えば、コーラスをテープサチュレーション・プラグインの後に挿入すると、サチュレーションの前に挿入した場合とは大きく異なる音が生まれる。 コーラスは基本的に、原音を上下にピッチシフトしながらわずかにディレイがかかった対のサウンドを生成するので、この応用としてはダブラーまたはピッチプラグインが最適だ。

コーラスまたはピッチプラグインにミックスノブが付いていれば、オリジナルのサウンドを必要なだけ残して、エフェクトを必要な分だけ加えることができる。

この最後の例では、原音にコーラスがほんの少しかかっている。 パッドの幅はやや広がり、音がやや細くなっているのが分かるだろう。 コーラスを加えると、しばしばサウンドが和らぎ、特にディストーションやビットリダクションで加えた歪みや倍音を滑らかにできる。

Loop Loft のオリジナル記事はこちら

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