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by Kevin McHugh

DJセットにリミッターを使用すべき理由とその使用方法

TRAKTOR PRO Plusの新しいOzone Maximizerでダイナミクスを調整し、
あなたのDJセットをクリアで迫力のあるサウンドに仕上げよう

トラックの音量差に悩まされるDJは多いだろう。トラック間のラウドネス差には驚かされることがある。音量を一定に保つために演奏中のトラックのチャンネルゲインを上げていたら、次の曲では音量メーターが振り切れる、というのはよくある現象だ。このような音量の波を乗りこなす事がDJである事は間違いない。しかし、DJセットのあらゆる要素に気を配らなくてはならない状況では、便利なツールに頼るのも1つの手だ。

素晴らしいDJ演奏は曲の繋ぎ目が分からないほど滑らかだ。そのため、優れたDJセットは曲間の変化が少ないように構成されている。テクノロジーの進化によりTRAKTORなどのソフトウェアが登場し、DJに求められる技術的な能力が下がったことで、これらのツールはDJの役割を変えてしまう、と一部の純粋主義者は主張する。その反対に、冒険主義者は技術的な敷居を下げることで想像力の可能性が広がると主張する。あなたがどちら派だとしても、自分に与えられている可能性と、その使い方について知る事は大切だ。

生演奏にはアクシデントが付き物だ。DJも例外ではない。その偶然性をコントロールすることが重要であり、その手段としてインターナルシンク、キー合わせ、フィルター、EQなどが存在する。中でも多いのが音量問題だ。優れたDJセットは音量バランスの細部まで気が配られている。特にセッションを台無しにしてしまうような意図しないクリッピングには注意が必要だ。

前置きはこれくらいにして、リミッターをいつ、なぜ、どのようにDJセットで使用すべきかをご紹介しよう。

いつ?

DJのシグナルフローにリミッターがあるべきではないという主張も存在する、ということを先にお伝えしなければならない。しかし、それに反対する意見の方が多数派だ。重要なのはリミッターの有無ではなく、DJセットにおける適切なリミッターの使い方を知ることだ。

DJセットでリミッターを使うべきポイントはトラック間の音量差が激しい場合とトラック内の音量差が激しい場合だ。例えばDJセット内のトラックが急に穏やかなものからパーカッションに変化したり、コンプレッションの強くかかったトラックとそうでないトラックが混ざっていたりする場合だ。どちらのケースも信号の最小値と最高値の比率であるダイナミックレンジが関係している。

リミッターはこのダイナミックレンジを狭めるのに役立つ。最も音量の大きいパートを制御しながら、最も音量の小さいパートを上げる事ができるのだ。そうすることで我々の耳には全体の音量が上がったような印象が与えられる。静かなパートが減ることで、全体の音量が上がったように感じられるのだ。

DJセットのジャンル感もリミッターの使用方法を決める重要な要素だ。もしも静かなアンビエント系セットをチルアウトな空間や自宅の友人の集まりで演奏するのであれば、リミッターは不要だ。しかし、壁を揺らして皆を盛り上げるようなDJセットにはリミッターの使用をおすすめする。

要点をまとめると、マスタリングやラウドネスの音量差が激しいトラックを扱うようなバンガー系のDJセットにはリミッターの使用をおすすめする。その反対に、音楽の間が多く、音量差の少ないトラックを扱うようなチル系のDJセットにはリミッターは不要だ。

気付いた頃にはシステム全体が制御不能になり、ヘビーメタル化したDJセットを誰もが不思議がることだろう。

なぜ?

DJセットにリミッターを使用すべき最大の理由はミックスの出力を歪ませてしまう予期せぬピークを制御することだ。このような歪みの発生には以下の要因が考えられる:

  • トラックのマスタリング処理がされていないため、ダイナミックレンジが広い。このような場合、ピーク値のみが他のトラックと同じなので、他のトラックよりも音量が小さく感じられる。メーター上では同じ音量を示していても、サウンドの重みが感じられない。このようなケースにはチャンネルのゲインを上げて対応するDJが多いが、そうするとピーク部分が歪んでしまう。こんな時にリミッターがあれば、コンプレッション効果によってピークの歪みを防ぎ、静かなサウンドに余白を与えてくれる。
  • トラックをデジタルエディットした際にオーディオにずれが発生し、何ミリ秒程度の同期ずれが起こっている。その結果、プチッというノイズが発生する。これは「インターサンプルピーク」と呼ばれる現象で、その他のサウンドシステムやセットのレコーディングに悪影響を及ぼしてしまう。リミッターは信号がアンプやスピーカーに届く前にこれらのピークノイズを制御してくれるので、良い頭痛薬になってくれるはずだ。
  • あなたが音量モンスターの餌になってしまっている。多くのDJの敵であるこのモンスターにやられてしまうと、興奮で音量を上げ過ぎてしまう。気付いた頃にはシステム全体が制御不能になり、ヘビーメタル化したDJセットを誰もが不思議がることだろう。

まとめると、リミッターは優れた保険のようなものだ。マスタリングの質が悪いファイル、デジタルの不備、またはあなたの興奮に対する予備の保険になってくれる。腕に自信のあるDJにも代替案は役立つはずだ。

どのように?

純粋主義者が何と言おうと、問題なのはリミッターではなく、その使用方法だ。優れたツールも使用方法を間違えれば、悪い結果を招く。効果的に使用すれば、革命的な変化を起こしてくれるだろう。少なくとも良い保険にはなるはずだ。

それではTRAKTORのInternal Mixingモードの中でリミッターを設定する方法を2つのシナリオを想定してご紹介しよう。設定はシンプルで、どのような演奏にも簡単に適応させる事ができる。今回の例では新しいiZotope Ozone MaximizerをTRAKTOR PRO Plusの中で使用しよう。TRAKTOR PRO Plusの製品情報と無償サインアップはこちらをチェックしよう。

シナリオ1 – マスタリング済みトラック、デモ、そしてデジタル化したレコード音楽で構成されたライブDJセットの場合

まずはTRAKTOR PRO Plusの環境設定を開こう。MixerセクションのEnable Autogainを選択して、Limiter TypeのドロップダウンメニューからOzoneとEnable Limiterを選択しよう。このシナリオではHeadroomを-6 dBに設定して、Apply Headroom to Channel Metersを有効にしよう。環境設定ではOzone Maximizerを選択して、そのウィンドウを開いておこう。

次はプレイリストの中で一番静かなトラックを選ぼう。それをTRAKTORのデッキにロードして、Thresholdのスライダーを観察しながら再生する。Gain Reductionのメーターに変化があるまで、スライダーを左に動かそう。セット内で一番静かなこのトラックにはGain Reductionをかけ過ぎたくないので、メーターが微動する-0.5 dBから-0.1 dBくらいの値を狙おう。それによってトラック全体のゲインが上がったことに気付くはずだ。このシナリオにはSmooth Presetを使用しよう。この状態で音量の大きいトラックをロードすると、Gain Reductionがより強く働いている事が分かる。静かなパートの音量が上がり、大きなパートの音量が下がっているのだ。

セットの演奏時にはこの狭められたダイナミックレンジを補うために、最終出力のゲインを上げよう。おめでとう、あなたも「レベルアップ」した!

シナリオ2 – 最近マスタリングされたトラックのみで構成されたスタジオDJセットの場合

このケースのリミッターはDJセットの汎用的なセーフティーネット、または保険として捉えてほしい。シナリオ1のケースと同じく、環境設定のMixerセクションを開き、リミッターをOzoneに設定しよう。そしてHeadroom設定をNoneに変更しよう。Autogainを含め、その他の設定は変更不要だ。

環境設定からOzone Maximizerを選択して、先ほどと同じようにプレイリストのトラックをTRAKTORデッキにロードして、再生しよう。そしてGain Reductionのメーターを確認しながらThresholdを左に動かそう。このシナリオではトラックの音量がある程度揃っているはずなので、リミッターはあまり強くかけたくない。Gain Reductionが微動するポイントを見つけて、そこから少しだけThresholdを右に動かそう。そうすることでOzone Maximizerは大きなノイズを検知した時にのみ動作するようになる。

これらのステップを試した後は、Ozone Maximizerを活用出来る他のシチュエーションも想像してみよう。リミッターが完全に不要なケースもあれば、少し足す程度が効果的なケースもあるだろう。重要なのはリミッターの使用方法を意識して、不要に使い過ぎないことだ。適度なリミッターには百利あって一害ない、ということに気付かされるだろう。

 

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