フランスのプロデューサー、ソングライター、サウンドデザイナーであるNicolas Petitfrère aka Nömakは、常にキャリアの中でNIのソフトウェアを使ってきた。彼のバンドプロジェクトであるAlesiaやPoint Point、UKのエレクトロポップスターCharli XCXとのコラボレーション、そして、彼自身のソロまで、全ての作品の中でNI製品は重要な役割を占めている。そんな彼の今一番のお気に入りはMASSIVE Xだ。MASSIVE Xの製品ページのためにデモトラックを作ったこともあるNömakは、NIの代表的なシンセの権威と言っていいだろう。(Nömakの音源はこちら)
明るい短調の和声がベースになっているメインパッチ「Massive X 1」は、豊かなハーモニックの動きとゲートによって切り刻まれる感覚が印象的だ。テクスチャーパッドの中で常に変化している音色はOscillator 1のFM Growlウェーブテーブルによって生成され、テンポ同期したLFOがウェーブテーブルのポジションとAnimaインサートエフェクトのピッチパラメーターを変調している。「僕にとって、ウェーブテーブル・シンセシスの美しさとは、興味深いテクスチャーを即座に生み出せることなんだ」とNömakは言う。
ゲートのエフェクトは、Blue Monarkフィルターのカットオフ周波数の変調によるもので、モジュレーションソースはPerformer 2だ。ギザギザとした素早く動く三角波のシーケンスがプログラムされていて、フィルターがパッドサウンドをリズミカルに切り刻んでいる。
しかし、何よりも今回のパッチの一番興味深い要素は、MASSIVE XのChordモードの使い方と、たった1つのMIDIノートからコード進行をトリガーするPerformerのモジュレーションソースだ。Unisonは3ボイスに、コードセットはMinor Yoに設定されていて、Performer 1はKeyモード(リトリガー) でChordフェーダーをモジュレートするようにアサイン。シーケンスは、12個のコードの中から6個をステップスルーしてコードを繰り返し生み出すように描かれている。
結果として仕上がった作品は、複雑で表現豊か、まさしくMASSIVE Xのシンセパワーがなくては生まれないようなエレクトロニックサウンドになった。2つのPerformerはホストのテンポにロックされていて、重要なリズム関連のフィルターとChordフェーダーのモジュレーションは全て常に同期している。「それこそがシンセシスだけを使うことの魔法なんだ」と、Nömakは言う。「自分自身の中から生まれてきたパーソナルな音を見つけ出すこと。プロセッシングやリサンプリングなどは使ってないから、完全に自由でしなやかなんだ」
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