生まれ育ったブリストルの有名なドラムンベースシーンの中でレイブへの情熱をみつけたLCYは、すぐに、彼女の初期のDJセットとプロダクションによって、グライムのダンスフロアでの探検をスタートした。ロンドンに引っ越ししてからは、SherelleやYazzusといった女性DJクルーによる6 Figure Gangの一員となり、レフトフィールドなジャングルからクラシックレイブまで、忙しくプロダクションのレパートリーを広げている。セルフタイトルが付けられた彼女の最新作は、複雑で爆発的なクラブリズムのEPで、彼女自身のレーベルであるSZNS7Nから今春リリースされた。これにより、今までマスクに隠されていたペルソナから、UKクラブミュージックの最も将来有望なアーティストの1人への変遷を、世の中に示すものとなった。
LCYのSketchは、テクノトラックの地下牢で真っ暗な威嚇の唸り声をあげているが、リズムが展開するに連れて、整列した鋭くメタリックな高音と繊細なシンコペーションのコントラストが現れてくる。遠くからのエコーがかかったボーカルのアクセントとベースの音色の轟が加わえられることで、どのジャンルにも属していない獣のような大きなうねりがSketchに生まれている。
使用しているNI製品: RISE & HIT, KONTAKT 6, BATTERY 4, MASCHINE, SYMPHONY SERIES – PERCUSSION, REAKTOR PRISM, MOLEKULAR, REVERB CLASSICS
まず最初に、今回のSketchをどのように作ったのか聞かせてください。ドラムサウンドのソースはどこからですか?
まず最初に、KONTAKTライブラリのRise & Hitでハードな打音になるようにスローアタックをカットオフした後、BlitchとMetalliteでBatteryやMASCHINEのドラム部分の基礎を作り、Symphony Series – Percussionを使ってさらにドラムを重ねました。自分のドラムはMIDIからリサンプリングして、できるだけハードになるようにTransient Masterを使っています。
その後、REAKTORのPRISMのシンセでテクスチャーを重ねて、MOLEKULARを使って動きを与え、同じプログラムを使ってブレイクをいくつかチョップした後、2つを混ぜ合わせました。
ボーカルパーカッションも録音して、興味深い感じになるようにRC24とRC48を組み合わせてsendで使いました。サブベースはSymphony Series – Percussionで作っていて、かなり色々編集していますね。プログレッションを通してパーカッションの細部に手を加えるために、LogicのPhat FXを使ったり、MASCHINEのライブラリを使ってさらにリズムを加えたりしてます。Sketchの仕上げは、MOLEKULARを通してメインのミックスチャンネルを走らせました。
普段の制作プロセスでも、Sketchすることはありますか?
私にとってSketchとは、アイディアを瞬時に捉えて、逃げてしまう前にそこから何かを作り出すことですね。
Sketchやアイディアをどうやって曲として完成させますか?
テンションとリリースの瞬間を見つけだして、その周りや間に構造を作り上げていくことで、曲を完成させてます。
今まで受けた中で最も良かった制作アドバイスは何ですか?
音楽のアイディアで遊びまわることは、絵の具を壁に投げつけるようなものだ。
最後に、オンラインでお気に入りの制作リソースを教えてください。
ミキシングエンジニアのDave PensadoによるYouTubeチャンネル「Pensado’s Place」にハマっていたのですが、最近は、デザインやアート、ビジネスのインタビューをガイダンスのために聞いています。どれも全部同じことを表してるなって感じるようになったんです。だけど、RBMAインタビューは、いつも私のハートの特別な場所を占めていて、頻繁に見ちゃいますね。
LCYの作品はこちらのBandCampページで聴くことができる。そして次回までの間に、SoundCloudでこれまで全てのSketchのプレイリストをチェックしよう。
Words: Chal Ravens