最近はサウンドトラック向けのライブラリが豊富に揃っているため、楽曲制作のために世界中から選りすぐりの素晴らしいクラシック演奏家を10人でも100人でも、擬似的に用意することができる。しかも、作業はすべて快適にDAWから行うことができるのだ。費用は実際のオーケストラを雇うことに比べたら少額で済むが、初期投資を考えるとまだまだハードルが高いと感じる人もいるかもしれない。しかし、心配は無用だ。もし、ハードドライブいっぱいのシネマティックサウンドに投資するべきかどうか迷っているのなら、第一歩としての選択肢は、低予算から無償のものまでたくさんある。 (ちなみに記事の中では触れていないが、KONTAKT 6に含まれるシンフォニーやエキゾチックな楽器のこともお忘れなく。)
今回紹介する5つのユニークなライブラリは、オーガニックな響きのオーケストラ音源から、ライザーやムードをつくるためのクリエイティブなサウンドまで、KONTAKTのフルバージョンがあれば全て無償で使うことができる。
Palette Primary Colors
Red Room Audioは、初心者にぴったりでありながら、経験豊かな作曲家にも味わい深い、制作の要になるようなツールを提供している。1.3 GBもの膨大な量のストリング、木管楽器、金管楽器のサンプルから構成されているPalette Primary Colorsは、アーティキュレーションごとの3つのダイナミックレイヤーや、ラウンドロビンのプレイバックなどを装備している。無料ダウンロード可能だが、このダイジェストバージョンが気に入ったら、ぜひドネーションやフルバージョンのPaletteライブラリへのアップグレードを検討してほしい。
Aurorror
FluffyAudioによって制作された悪夢のようなライブラリAurorrorは、同社の代表的なインストゥルメントであるAuroraから生まれた。ホラームービーのサウンドスケープを簡単に制作でき、どんな楽曲にもダークな低音を加えてくれる。異なる音を5つまでレイヤーすることが可能なAurorrorは、複雑で不気味なサウンドの制作にぴったりだ。
Medicine Man
こだわりの音源で知られているSonixinemaのMedicine Manは、 サイトランスプロデューサーのSaša Dukićによって収録されたタングドラムで、500MB以上のサンプルを含んでいる。雰囲気のあるアンビエンスを加えてくれる「Atmospheres Layer」機能を備え、何よりも重要な点は、素晴らしいサウンドを生み出してくれるということだ。
Djemko
Supreme SamplesのDjemkoドラムアンサンブルは、たった1つのシンプルなテクニックをベースにした偉大なライブラリ。ジャンベの音をピッチダウンした時、太鼓のような音になることに気づいた開発者が、ジャンベのサウンドを隅々までサンプルしレイヤーすることで、雷音が轟き渡るようなライブラリを作り上げた。名前通りの効果が得られる「More Drums」機能も便利なのでお見逃しなく。
Orchestral Rise Builder
Hidden Path Audio によるこのライブラリも1つの機能に特化したもので、想像通りのことを素晴らしく上手にやってくれる。楽曲のここぞというポイントでオーケストラのライザーを使って持続的なテンションをつくりたい時や、トラックにユニークな展開部分を加えたい時に、是非とも試してほしいライブラリだ。
Orchestral Rise Builderのダウンロードはこちら
サウンドデザイン: Konstantin Grismann